障害手当金

障害手当金の受給要件

次の1から4のすべての要件を満たしているときに、障害厚生年金が支給されます。

  1. (初診日要件)厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。
  2. (症状固定要件)初診日から起算して5年を経過する日までの間に、その傷病が治ったこと。
  3. (障害要件)傷病が治った日において、障害等級表に定める程度の障害状態にあること。
  4. (保険料納付要件)下記要件のいずれかを満たすこと。
    • 初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
    • 初診日が令和18年3月末日までのときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと。

障害手当金の請求時期

障害手当金は、治った日以降であれば請求できます。
障害基礎年金・障害厚生年金と異なり、障害認定日という要件はありません。

ケース

Aさん(会社員・50歳)は、令和8年6月1日に、家で料理をしていた時に、左手人差し指を誤って包丁で切ってしまいました。
その日のうちに病院に行きましたが、切断面の状態が悪く、人差し指をつけることもできませんでした。
このケースで考えてみましょう。

  • 初診日要件
    • 会社員であるAさんは、厚生年金保険に加入していたため、要件をクリアしています。
  • 症状固定要件
    • 左手人差し指が戻ることはなく失った状態ですので、治ったものと判断でき、要件をクリアしています。
  • 障害要件
    • 障害等級表(厚生年金保険法施行令別表第二)に、「一上肢のひとさし指を失つたもの」がありますので、要件をクリアしています。
  • 保険料納付要件
    • 初診日の前日(令和8年5月31日)において、初診日がある月の前々月までの直近1年間(令和7年4月~令和8年3月)に保険料の未納がないので、要件をクリアしています。

そのため、書類さえ準備できれば、初診日である令和8年6月1日に障害手当金を請求することも可能です。

障害手当金の額:令和8年4月以降

  • 障害手当金の額
    • (報酬比例の年金額)×2(1回のみ)

障害手当金の最低保証額(障害厚生年金3級の最低保証額の2倍)

昭和31年4月2日以後生まれの方1,271,000 円(1回のみ)
昭和31年4月1日以前生まれの方1,267,400 円(1回のみ)

障害年金は、「年金」であり毎年受給できますが、障害手当金は、「一度きりの給付」です。

受給制限

厚生年金保険法第56条により、下記のいずれかに該当する場合は、障害手当金は受給できません。

  1. 厚生年金保険法の年金たる保険給付の受給権者
    • 最後に障害厚生年金3級にも該当しなくなった日から起算して、障害厚生年金3級以上に戻ることなく3年を経過した障害厚生年金の受給権者(現に3級以上に該当しない者に限る。)を除く。
  2. 国民年金法による年金たる給付の受給権者
    • 最後に障害厚生年金3級の状態にも該当しなくなった日から起算して、障害厚生年金3級以上の状態に戻ることなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に3級以上の状態に該当しない者に限る。)を除く。
  3. 下記の法令による障害を支給事由とする給付を受ける権利を有する者
    • 国家公務員災害補償法
    • 地方公務員災害補償法
    • 地方公務員災害補償法に基づく条例
    • 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律
    • 労働基準法第七十七条の規定による障害補償
    • 労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付、複数事業労働者障害給付若しくは障害給付
    • 船員保険法

障害厚生年金3級14号と障害手当金の違い

障害手当金相当の障害でも、治っていない(症状が固定していない)場合は、障害厚生年金3級14号として認められる可能性があります。

治った(症状が固定している)=障害手当金
治っていない(症状が固定していない)=障害厚生年金3級

例えば先ほどのケースでは、ひとさし指の切断後に、他の指も切断しなければならない感染症に罹り手術を控えているような場合を除き、障害手当金の支給となります。

一方、私と同じ網膜色素変性症の方は、ゆっくりであるものの進行性の病気です。
網膜色素変性症の方が、障害手当金の障害認定基準にある「両眼による視野が2分の1以上欠損したもの」となった場合には、症状が固定しているとは言い難いため、障害厚生年金3級14号に該当する可能性が高いです。

ちなみに、「両眼による視野が2分の1以上欠損したもの」とは、身体障害者手帳の5級相当ですから、かなりの多くの視野障害者が該当することになります。

ただ、他の社労士の請求事例を見ると、ある人は3級14号が認められたが、ある人は障害手当金となり、再審査請求までしても変更が認められなかった場合もあるようです。

障害手当金には、治った日の翌日から5年以内という時効がありますので、時効を過ぎてしまうと障害手当金は受給することができなくなります。
もしかしたら…と思った方は、一度ご相談いただければと思います。

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