20歳前傷病による障害基礎年金(詳細)

20歳前傷病による障害基礎年金特有の支給停止事由

20歳前傷病による障害基礎年金は、20歳以後の傷病による障害基礎年金と異なる点として、次のような点が挙げられます。


  • 労災保険法に規定する年金たる給付を受けられる時は支給停止
  • 恩給法に基づく年金たる給付、その他政令で定めるものを受けられる時は支給停止
  • 刑事施設や少年院等に拘禁、収容されている時は支給停止
  • 国外に住んでいる時は支給停止
  • 同一生計配偶者や扶養親族の有無に応じて政令で定める額を超えると、2分の1または全額支給停止(災害により住宅や家財が2分の1以上損害を受けたときを除く)

「その他政令で定めるもの」は、以下のとおりです。

  • 恩給法(他の法律において準用する場合を含む。)による年金たる給付
  • 地方公務員の退職年金に関する条例による年金たる給付
  • 厚生年金保険法附則第二十八条に規定する共済組合が支給する年金たる給付
  • 旧執行官法附則第十三条の規定による年金たる給付
  • 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法に基づいて国家公務員共済組合連合会が支給する年金たる給付
  • 互助年金廃止法附則第七条第一項の普通退職年金、互助年金廃止法附則第十一条第一項の公務傷病年金及び互助年金廃止法附則第十二条第一項の遺族扶助年金並びに旧国会議員互助年金法第二条第一項の互助年金
  • 存続共済会が支給する年金たる給付
  • 戦傷病者戦没者遺族等援護法による年金たる給付
  • 未帰還者留守家族等援護法による留守家族手当(同法附則第四十五項に規定する手当を含む。)
  • 労働者災害補償保険法による年金たる保険給付
  • 船員保険法による年金たる保険給付(旧船員保険法による年金たる保険給付を除く。)
  • 国家公務員災害補償法(法律において準用する場合を含む。)による年金たる補償
  • 地方公務員災害補償法及び同法に基づく条例の規定による年金たる補償
  • 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律に基づく条例の規定による年金たる補償

つまり、20歳前傷病による障害基礎年金にだけ、支給停止にされる項目が追加して規定されているのです…。

ただ、「年金たる給付」による支給停止の場合は、障害基礎年金額(子の加算を除く)の方が高ければ、その差額は子の加算額を含め受給できることになります。

「支給停止」とは、その支給停止事由に該当する期間、障害年金が受給できないものの、支給停止事由がなくなれば障害年金が再び受給できるようになることを言います。支給停止期間分の障害年金は、再開されても支給されません。

一方、障害年金の更新手続きが遅れた場合には、「差し止め」が行われます。この場合、更新手続きが済み受給できることが明らかとなった時は、差し止めをした月分の障害年金が支給されます。

20歳前傷病による障害基礎年金の所得要件について

20歳前傷病による障害基礎年金で、個人的に最も気になるのは「所得要件」についてです。
私も20歳前傷病による障害基礎年金を受給しているので、自分事として詳しく調べてみました。

所得の範囲

国民年金法施行令第6条は、次のように定められています。

(法第三十条の四の規定による障害基礎年金の支給を停止する場合の所得の範囲)
第六条 法第三十六条の三第一項に規定する所得は、前年の所得のうち、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第四条第二項第一号に掲げる道府県民税(都が同法第一条第二項の規定によつて課する同法第四条第二項第一号に掲げる税を含む。以下同じ。)についての同法その他の道府県民税に関する法令の規定による非課税所得以外の所得とする。

つまり、20歳前傷病による障害基礎年金(法第30条の4の規定による障害基礎年金)を停止する場合の所得の範囲は、地方税法の「道府県民税」の非課税所得を除くとあります。

地方税法第32条において次のように定められています。

第二款 個人の道府県民税
第一目 課税標準及び税率
(所得割の課税標準)
第三十二条 所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする。
2 前項の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額は、この法律又はこれに基づく政令で特別の定めをする場合を除くほか、それぞれ所得税法その他の所得税に関する法令の規定による所得税法第二十二条第二項又は第三項の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算の例により算定するものとする。ただし、同法第六十条の二から第六十条の四までの規定の例によらないものとする。

ここで、所得税法の非課税所得については、第9条が明らかにしています。

(非課税所得)
第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
一 当座預金の利子(政令で定めるものを除く。)
二 学校教育法第一条(学校の範囲)に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校若しくは中等教育学校又は同法第七十六条(特別支援学校の部別)に規定する特別支援学校の小学部、中学部若しくは高等部の児童又は生徒が、その学校の長の指導を受けて預入し又は信託した預貯金(前号に規定するものを除く。)又は合同運用信託で政令で定めるものの利子又は収益の分配
三 恩給、年金その他これらに準ずる給付で次に掲げるもの
イ 恩給法(大正十二年法律第四十八号)に規定する増加恩給(これに併給される普通恩給を含む。)及び傷病賜金その他公務上又は業務上の事由による負傷又は疾病に基因して受けるこれらに準ずる給付で政令で定めるもの
ロ 遺族の受ける恩給及び年金(死亡した者の勤務に基づいて支給されるものに限る。)
ハ 条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて受ける給付
四 給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの
五 給与所得を有する者で通勤するもの(以下この号において「通勤者」という。)がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当(これに類するものを含む。)のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるもの
六 給与所得を有する者がその使用者から受ける金銭以外の物(経済的な利益を含む。)でその職務の性質上欠くことのできないものとして政令で定めるもの
七 国外で勤務する居住者の受ける給与のうち、その勤務により国内で勤務した場合に受けるべき通常の給与に加算して受ける在勤手当(これに類する特別の手当を含む。)で政令で定めるもの
八 外国政府、外国の地方公共団体又は政令で定める国際機関に勤務する者で政令で定める要件を備えるものがその勤務により受ける俸給、給料、賃金、歳費、賞与及びこれらの性質を有する給与(外国政府又は外国の地方公共団体に勤務する者が受けるこれらの給与については、その外国がその国において勤務する日本国の国家公務員又は地方公務員で当該政令で定める要件に準ずる要件を備えるものが受けるこれらの給与について所得税に相当する税を課さない場合に限る。)
九 自己又はその配偶者その他の親族が生活の用に供する家具、じゆう器、衣服その他の資産で政令で定めるものの譲渡による所得
十 資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における国税通則法第二条第十号(定義)に規定する強制換価手続による資産の譲渡による所得その他これに類するものとして政令で定める所得(第三十三条第二項第一号(譲渡所得)の規定に該当するものを除く。)
十一 オープン型の証券投資信託の収益の分配のうち、信託財産の元本の払戻しに相当する部分として政令で定めるもの
十二 皇室経済法(昭和二十二年法律第四号)第四条第一項(内廷費)及び第六条第一項(皇族費)の規定により受ける給付
十三 次に掲げる年金又は金品
イ 文化功労者年金法(昭和二十六年法律第百二十五号)第三条第一項(年金)の規定による年金
ロ 日本学士院から恩賜賞又は日本学士院賞として交付される金品
ハ 日本芸術院から恩賜賞又は日本芸術院賞として交付される金品
ニ 学術若しくは芸術に関する顕著な貢献を表彰するものとして又は顕著な価値がある学術に関する研究を奨励するものとして国、地方公共団体又は財務大臣の指定する団体若しくは基金から交付される金品(給与その他対価の性質を有するものを除く。)で財務大臣の指定するもの
ホ ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品
ヘ 外国、国際機関、国際団体又は財務大臣の指定する外国の団体若しくは基金から交付される金品でイからホまでに掲げる年金又は金品に類するもの(給与その他対価の性質を有するものを除く。)のうち財務大臣の指定するもの
十四 オリンピック競技大会又はパラリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして財団法人日本オリンピック委員会(平成元年八月七日に財団法人日本オリンピック委員会という名称で設立された法人をいう。)、財団法人日本障害者スポーツ協会(昭和四十年五月二十四日に財団法人日本身体障害者スポーツ協会という名称で設立された法人をいう。)その他これらの法人に加盟している団体であつて政令で定めるものから交付される金品で財務大臣が指定するもの
十五 学資に充てるため給付される金品(給与その他対価の性質を有するもの(給与所得を有する者がその使用者から受けるものにあつては、通常の給与に加算して受けるものであつて、次に掲げる場合に該当するもの以外のものを除く。)を除く。)及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品
イ 法人である使用者から当該法人の役員(法人税法第二条第十五号(定義)に規定する役員をいう。ロにおいて同じ。)の学資に充てるため給付する場合
ロ 法人である使用者から当該法人の使用人(当該法人の役員を含む。)の配偶者その他の当該使用人と政令で定める特別の関係がある者の学資に充てるため給付する場合
ハ 個人である使用者から当該個人の営む事業に従事する当該個人の配偶者その他の親族(当該個人と生計を一にする者を除く。)の学資に充てるため給付する場合
ニ 個人である使用者から当該個人の使用人(当該個人の営む事業に従事する当該個人の配偶者その他の親族を含む。)の配偶者その他の当該使用人と政令で定める特別の関係がある者(当該個人と生計を一にする当該個人の配偶者その他の親族に該当する者を除く。)の学資に充てるため給付する場合
十六 国又は地方公共団体が保育その他の子育てに対する助成を行う事業その他これに類する事業で財務省令で定めるものにより、その業務を利用する者の居宅その他財務省令で定める場所において保育その他の日常生活を営むのに必要な便宜の供与を行う業務又は児童福祉法第五十九条の二第一項(認可外保育施設の届出)に規定する施設その他の財務省令で定める施設の利用に要する費用に充てるため支給される金品(前号に規定する学資に充てるため給付される金品を除く。)
十七 相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの(相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の規定により相続、遺贈又は個人からの贈与により取得したものとみなされるものを含む。)
十八 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの
十九 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の適用を受ける選挙に係る公職の候補者が選挙運動に関し法人からの贈与により取得した金銭、物品その他の財産上の利益で、同法第百八十九条(選挙運動に関する収入及び支出の報告書の提出)の規定による報告がされたもの
2 次に掲げる金額は、この法律の規定の適用については、ないものとみなす。
一 前項第九号に規定する資産の譲渡による収入金額がその資産の第三十三条第三項に規定する取得費及びその譲渡に要した費用の額の合計額(以下この項において「取得費等の金額」という。)に満たない場合におけるその不足額
二 前項第十号に規定する資産の譲渡による収入金額がその資産の取得費等の金額又は第三十二条第三項(山林所得)に規定する必要経費に満たない場合におけるその不足額

ここから、障害に関係するものとして、障害者扶養共済による給付や、生命保険会社等からの医療・障害関係の支払金が読み取れますが、障害年金を受け取っておられる皆さんが気になる、「障害基礎年金」や「障害厚生年金」、「傷病手当金」が非課税となることは、所得税法上記載されていません。

ただ安心してください。
「障害基礎年金」は国民年金法で、「障害厚生年金」は厚生年金保険法で、「傷病手当金」は健康保険法というように、個別法で非課税であることが規定されています。

受給種別根拠法令条文
障害基礎年金国民年金法
第25条
租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない。
障害厚生年金厚生年金保険法
第41条第2項
租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢厚生年金については、この限りでない。
傷病手当金健康保険法
第62条
租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。

このほかにも、雇用保険の給付や、労災保険の給付についても、非課税とする条文が各法にあります。

自分がもらった給付金等が非課税なのかは、よく確認してみるようにしましょう。

ノーベル賞やオリンピックの報奨金は、非課税なんですね!

所得の計算方法

20歳前傷病による障害基礎年金の所得要件の計算方法については、下記のとおり国民年金法施行令第6条の2に定められています。

(法第三十条の四の規定による障害基礎年金の支給を停止する場合の所得の額の計算方法)
第六条の二 法第三十六条の三第一項に規定する所得の額は、その年の四月一日の属する年度(以下「当該年度」という。)分の道府県民税に係る地方税法第三十二条第一項に規定する総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額、同法附則第三十三条の三第一項に規定する土地等に係る事業所得等の金額、同法附則第三十四条第一項に規定する長期譲渡所得の金額、同法附則第三十五条第一項に規定する短期譲渡所得の金額、同法附則第三十五条の四第一項に規定する先物取引に係る雑所得等の金額、外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十四号。以下「外国居住者等所得相互免除法」という。)第八条第二項(外国居住者等所得相互免除法第十二条第五項及び第十六条第二項において準用する場合を含む。以下同じ。)に規定する特例適用利子等の額、外国居住者等所得相互免除法第八条第四項(外国居住者等所得相互免除法第十二条第六項及び第十六条第三項において準用する場合を含む。以下同じ。)に規定する特例適用配当等の額、租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。以下「租税条約等実施特例法」という。)第三条の二の二第四項に規定する条約適用利子等の額並びに同条第六項に規定する条約適用配当等の額の合計額とする。
2 次の各号に該当する者については、当該各号に掲げる額を前項の規定によつて計算した額からそれぞれ控除するものとする。
一 当該年度分の道府県民税につき、地方税法第三十四条第一項第一号から第四号まで又は第十号の二に規定する控除を受けた者については、当該雑損控除額医療費控除額社会保険料控除額小規模企業共済等掛金控除額又は配偶者特別控除額に相当する額
二 当該年度分の道府県民税につき、地方税法第三十四条第一項第六号に規定する控除を受けた者についてはその控除の対象となつた障害者(法第三十条の四の規定による障害基礎年金(その全額につき支給を停止されているものを除く。)の受給権者を除く)一人につき二十七万円(当該障害者が同号に規定する特別障害者である場合には、四十万円)、同項第八号に規定する控除を受けた者については当該控除を受けた者につき二十七万円、同項第八号の二に規定する控除を受けた者については当該控除を受けた者につき三十五万円、同項第九号に規定する控除を受けた者については当該控除を受けた者につき二十七万円
三 当該年度分の道府県民税につき、地方税法附則第六条第一項に規定する免除を受けた者については、当該免除に係る所得の額

そのため、道府県民税の所得割の対象である、「総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額」だけでなく、譲渡所得や先物取引に係る雑所得等を加え、各種控除を差し引いた額を求める必要があります。

特に障害者控除は、20歳前傷病による障害基礎年金を受給している方は、要件を満たせば所得税や住民税では控除できるものの、20歳前傷病による障害基礎年金の所得要件の計算上では、障害者控除が利用できません。

さらに、子が特別障害者であった場合で、所得税や住民税上で「同居特別障害者控除」となっていても、20歳前傷病による障害基礎年金の所得要件の計算上は、単なる「特別障害者控除」の扱いになることも留意する必要があります。

よって、障害者控除を利用していた方は、所得税や住民税上の所得金額と、20歳前傷病による障害基礎年金の所得要件の金額では、異なる場合があります。

ちなみに、基礎控除、寄付金控除、生命保険料控除・地震保険料控除等は対象外です。

所得金額

所得金額については、国民年金法第36条の3及び国民年金法施行令第5条の4により、次のように定められています。

第三十六条の三 第三十条の四の規定による障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法(昭和四十年法律第三十三号)に規定する同一生計配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の十月から翌年の九月まで、政令で定めるところにより、その全部又は二分の一(第三十三条の二第一項の規定によりその額が加算された障害基礎年金にあつては、その額から同項の規定により加算する額を控除した額の二分の一)に相当する部分の支給を停止する。
2 前項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。

第五条の四 法第三十六条の三第一項に規定する政令で定める額は、同項に規定する扶養親族等がないときは、三百七十六万千円とし、扶養親族等があるときは、三百七十六万千円に当該扶養親族等(所得税法(昭和四十年法律第三十三号)に規定する扶養親族(三十歳以上七十歳未満の者に限る。以下「特定年齢扶養親族」という。)にあつては、同法に規定する控除対象扶養親族(以下単に「控除対象扶養親族」という。)に限る。)一人につき三十八万円(当該扶養親族等が所得税法に規定する同一生計配偶者(七十歳以上の者に限る。以下同じ。)又は老人扶養親族であるときは、当該同一生計配偶者又は老人扶養親族一人につき四十八万円とし、当該扶養親族等が特定扶養親族等(同法に規定する特定扶養親族又は控除対象扶養親族(十九歳未満の者に限る。)をいう。以下同じ。)であるときは、当該特定扶養親族等一人につき六十三万円とする。次項において同じ。)を加算した額とする。

単身者の場合

原則の額と同じになります。

  • ~3,761,000円:全額受給
  • 3,761,001円~4,794,000円:1/2支給停止
  • 4,794,001円~:全額支給停止

本人+配偶者(70歳未満)の場合

70歳未満の配偶者は、施行令のみではわかりづらいのですが、原則額の38万円を加算することができますので、下記の額となります。

  • ~4,141,000円:全額受給
  • 4,141,001円~5,174,000円:1/2支給停止
  • 5,174,001円~:全額支給停止

本人+配偶者(70歳未満)+子1人(16歳以上23歳未満)

23歳未満の場合は、63万円が加算されますので、下記の額となります。

  • ~4,771,000円:全額受給
  • 4,771,001円~5,804,000円:1/2支給停止
  • 5,804,001円~:全額支給停止

本人+配偶者(70歳未満)+子1人(16歳以上23歳未満&障害者控除あり)

障害者控除は、20歳前傷病による障害基礎年金の受給者本人には適用できませんが、本人以外であれば適用され27万円が控除できますので、実質額は以下のようになります。

  • ~5,041,000円:全額受給
  • 5,041,001円~6,074,000円:1/2支給停止
  • 6,074,001円~:全額支給停止
  • 16歳未満の扶養親族…1人につき38万円
  • 16歳以上19歳未満の控除対象扶養親族…1人につき63万円
  • 19歳以上23歳未満の特定扶養親族…1人につき63万円
  • 23歳以上30歳未満の扶養親族…1人につき38万円
  • 30歳以上70歳未満の控除対象扶養親族…1人につき38万円
  • 70歳以上の老人扶養親族…1人につき48万円
  • 70歳未満の同一生計配偶者…38万円
  • 70歳以上の同一生計配偶者…48万円
  • ※配偶者特別控除を受けられる場合は所得に応じた額が控除されます。

他の家族構成の場合は、「単身者の額+上記年齢等に応じた扶養親族等の額」になりますので、ご自身で計算してみましょう。

給与収入のみの場合の試算

例:600万円の給与収入のみがある場合

給与所得控除:600万円×20%+44万円=164万円
社会保険料控除:90万円
600万円-164万円-90万円=346万円

このため、単身者であっても20歳前傷病による障害基礎年金は全額支給される可能性があります。

例:700万円の給与収入のみがある場合

給与所得控除:700万円×10%+110万円=180万円
社会保険料控除:100万円
700万円-180万円-100万円=420万円

このため、単身者であれば20歳前傷病による障害基礎年金は1/2支給停止となりえますが、配偶者や扶養親族がいれば全額支給される可能性があります。

例:800万円の給与収入のみがある場合

給与所得控除:800万円×10%+110万円=190万円
社会保険料控除:120万円
800万円-190万円-120万円=490万円

このため、単身者であれば20歳前傷病による障害基礎年金は全額支給停止となりえますが、配偶者や扶養親族がいれば1/2支給停止となる可能性があります。

例:1,000万円の給与収入のみがある場合

給与所得控除:上限額の195万円
社会保険料控除:約130万円
1,000万円-195万円-130万円=675万円

このため、配偶者(70歳未満)+子3人(23歳未満)の場合は、1/2支給停止になりえます。

つまり、年収が1,000万円を超えたとしても、20歳前傷病による障害基礎年金を受け取れる可能性はゼロではないのです。

社会保険料控除額は、あくまで仮定の額です。実際には障害者控除が適用されるため、一般の社会保険料控除額と異なる可能性があります。

災害を受けた場合の特例

災害を受けた年から翌年9月まで

国民年金法第36条の4において、災害を受けた場合の特例が示されています。

第三十六条の四 震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令で定めるその他の財産につき被害金額(保険金、損害賠償金等により補充された金額を除く。)がその価格のおおむね二分の一以上である損害を受けた者(以下「被災者」という。)がある場合においては、その損害を受けた月から翌年の九月までの第三十条の四の規定による障害基礎年金については、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする前条の規定による支給の停止は、行わない。
2 前項の規定により第三十条の四の規定による障害基礎年金の支給の停止が行われなかつた場合において、当該被災者の当該損害を受けた年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、前条第一項に規定する政令で定める額を超えるときは、当該被災者に支給する第三十条の四の規定による障害基礎年金で、前項に規定する期間に係るものは、当該被災者が損害を受けた月に遡つて、その支給を停止する。
3 前項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法については、前条第一項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法の例による。

要するに、もともとガッツリ稼いで支給停止になっている方が、災害を受けて自宅や家財等が1/2以上損害を受けたら、その年は支給するということです。

ただし、その年に、所得の支給停止要件に該当するほど、ガッツリ稼いでいるのであれば、返還してくださいねということです。

これは、「その他の政令で定めるその他の財産」を調べると理解できるのですが、その政令である国民年金法施行令第6条の3には、下記のように示されています。

(法第三十六条の四第一項の政令で定める財産)
第六条の三 法第三十六条の四第一項に規定する政令で定める財産は、主たる生業の維持に供する田畑、宅地、家屋又は厚生労働大臣が定めるその他の財産とする。

さらに、厚生労働大臣が定めるその他の財産は、以下のとおりです。

国民年金法施行令(昭和三十四年政令第百八十四号)第六条の三に規定する主たる生業の維持に供するその他の財産として次の財産を定め、昭和六十一年四月一日から適用する。

機械・器具その他事業の用に供する固定資産(鉱業権、漁業権その他の無形減価償却資産を除く。)

つまり、農業での田畑や、漁業での船や網、工場での機械・器具といった、それがないとお金を稼ぐことができなくなる人に配慮した規定であることが分かります。

仮に家が燃えたとしても、サラリーマンのように収入が減ることなく稼ぐことのできる場合は、明日生活できるお金はありますよね…という話です。


また、「被害金額(保険金、損害賠償金等により補充された金額を除く。)がその価格のおおむね二分の一以上」としており、保険金や損害賠償金は除く必要があります。

例えば、5千万円の家(家財を含む)が全焼し、保険金が3千万円入った場合は、その価格のおおむね1/2以上となるため、この災害特例は対象となりません。

本当にお金に困るような災害であれば、20歳前傷病による障害基礎年金の支給停止を解除してもいいですよということなのです。

翌年10月以降(雑損控除 or 災害減免法)

20歳前傷病による障害基礎年金の「控除」のところを思い出してください。

「雑損控除」があるんです。
雑損控除とは、次のいずれか多い方の金額です。

  • (損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
  • (災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

先ほどの例では、5千万円の家が全焼し、保険金が3千万円入った場合は、災害(損害)のあった月から翌年9月までの間は、支給停止が解除されず、災害特例が利用できませんでした。

しかし、単身で年収1,000万円の方が、所得金額が600万円で災害等関連支出の金額として、全焼した家の撤去費用200万円がかかったとして計算すると、

(5,000万円+200万円-3,000万円)-(600万円)×10%=2,140万円

そのため、税法上の所得金額から、全額控除することができますので、その年分の税法上の所得は0円ということになります。

ただし、20歳前傷病による障害基礎年金の所得要件の金額は、0円になりません。基礎控除や寄付金控除、生命保険料控除・地震保険料控除といった20歳前傷病による障害基礎年金では控除できないが、税法上可能な控除の差額が発生するためです。

仮に、本人+配偶者(70歳未満)+子(23歳未満)の家族構成の場合だと、4年目10月から5年目9月も20歳前傷病による障害基礎年金が1/2受給できることになります。

また、翌年以後3年間繰り越し(実質4年適用)できますので、3年間は税法上の所得0円となり、翌年10月から4年目9月まで20歳前傷病による障害基礎年金を全額受給となります。

最後4年目も、340万円の控除により所得金額が335万円になり、20歳前傷病による障害基礎年金が全額受給できる場合も考えられます。

2,140万円-(600万円×3年間)=340万円
675万円-340万円=335万円


注意してほしいのは、雑損控除を除いた所得金額が1,000万円以下の場合は、災害減免法による軽減・免除を利用できるのですが、繰り越しはできません。その年だけです。

また、20歳前傷病による障害基礎年金の所得要件の計算上、災害減免法を利用しても所得金額は変わりませんので、年収が変わらないのであれば、翌年10月以降に20歳前傷病による障害基礎年金を受給できる可能性が大きく減ります。

もし、災害減免法による軽減・免除額と、雑損控除の額が近い場合は、20歳前傷病による障害基礎年金の受給ができるかどうかという視点で検討してみたらいかがでしょうか。

以上も仮定の話です。社労士は税務相談ができませんので、雑損控除や災害減免法の個別計算については、管轄の税務署かお近くの税理士までお願いいたします。

まとめ

20歳前傷病による障害基礎年金は、支給停止要件が多くあります。

しかし、他の年金たる給付を受ける際は、障害基礎年金の方が高ければ差額が支給されますし、所得要件での1/2停止・全額停止も、単身者で給与収入を約650万円・約780万以上稼ぐようなもともと所得が高い人に限定されています。

将来、海外で生活したいという人は、受給できずに困るかもしれませんが、基本的に20歳前傷病による障害基礎年金だからといって困ることはほとんどありません。

私が、20歳前傷病による障害基礎年金を受給しているということは…そうです。
私の懐事情は…察してください(笑)

障害年金