指定難病と医療機関の変更

指定難病とは

難病及び指定難病は、難病法において次のように定義されています。

難病は「発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるものをいう。」

指定難病は「難病のうち、当該難病の患者数が本邦において厚生労働省令で定める人数に達せず、かつ、当該難病の診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていることその他の厚生労働省令で定める要件を満たすものであって、当該難病の患者の置かれている状況からみて当該難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定するものをいう。」

難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)第1条・第5条

そのため、指定難病は、厚生労働大臣が認めた診断可能で人数の多くない難病ということができます。

特定医療費(指定難病)受給者証

指定難病と厚生労働大臣が指定することによって、患者は「特定医療費(指定難病)受給者証」による医療費助成として、一般の医療費が3割負担のところを、「2割負担」もしくは「所得額に応じた上限額」までの負担に軽減してもらえます。

この制度を利用して病院に受診する際には、「特定医療費(指定難病」受給者証」に加え「自己負担上限額管理票」を窓口に提出する必要があります。

一部の自治体では、公費負担医療のオンライン資格確認を可能にして、マイナンバーカードでの対応も可能な医療機関もあるようです。

「特定医療費(指定難病)受給者証」を取得するためには、難病指定医(更新のみは協力難病指定医でも可)に診断書を書いてもらわないといけません。

また、通院する病院が難病指定医療機関であり、かつ、薬局でお薬をもらう場合にも、難病指定医療機関である必要があります。

そうでないと、指定難病による医療費助成が受けられません。

指定難病の場合、かかりつけ医で紹介状を書いてもらい、大病院で確定診断という流れが多いように思いますが、引越の際など、大病院から病院を変更する場合は要注意です。

指定難病患者の医療機関の変更

紹介先の病院は、①「指定難病医療機関で難病指定医がいること」、そして今後のことも考慮して、②「障害者手帳の指定医もいること」が重要なポイントになります。

さらに言えば、私のような網膜色素変性症患者は、③「ロービジョンケア外来等で遮光眼鏡の選定や拡大読書器といった補装具に対応できる病院(専門性の高い病院)」の絞り込みも必要になります。

ただ、このような条件にあてはまるのは、大病院になることが多いのですが、大病院のように丸一日かけて受診することが厳しいと思う患者さんも多いのではないでしょうか。

そのため、下記の要件に合う病院を探すとなるとかなり骨が折れる作業です。

  • 指定難病医療機関(病院・薬局)であること
  • 障害者手帳の指定医であること
  • ロービジョンケア対応等その難病への対応が可能であること
  • 土日や午後遅くでも受診が可能であること
  • 引越先(自宅)から近いこと

これらすべてに当てはまる病院を見つけることはかなり困難なのですが、私は引越の度にこの条件で病院を探しています。

(かなり楽ですし、あるところにはありますので…。)

ただ、障害者手帳の指定医については、自治体によってWEBページ上に情報を開示していない場合があります。
ちなみに、当事務所のある大阪市は、執筆時点ではこの情報をWEBページ上に開示していません…。

以前、大阪市に引っ越す際に困り、大阪市に問い合わせた時の返信が「各区に問い合わせてください」とされたときは、呆然としてしまいました…。


本来、身体障害者手帳の指定医については、次のように定められています。

前項の規定により都道府県知事が医師を定めるときは、厚生労働大臣の定めるところに従い、かつ、その指定に当たつては、社会福祉法第七条第一項に規定する社会福祉に関する審議会その他の合議制の機関(以下「地方社会福祉審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

身体障害者福祉法第15条第2項(太字は当事務所による)

この「厚生労働大臣の定めるところに従い」に対応する通知には、次のように定められています。

都道府県知事は、法第15条第1項の規定により医師を指定し、又はその指定を取り消したときは、その旨を告示するものとする。

「身体障害者手帳に係る交付手続き及び医師の指定に関する取扱いについて」
(障発第1224第3号)第二の1(3)(太字は当事務所による)

そのため、自治体のWebページ上で検索しても、身体障害者手帳の指定医が告示(公表)されていない状態は、違法性を帯びる行為なのではないかと危惧しています。

個人的な見解です。
当該通知は、ガイドラインとして位置づけられるものとされていますが、身体障害者手帳の指定医の手続き部分については身体障害者福祉法に基づく定めであるため、その部分を順守する義務があるものと考えられます。


各自治体で、身体障害者手帳の指定医の一覧を公表していただければ、いち身体障害者としてとてもありがたいです。

後半は愚痴になってしまったのですが、働いている指定難病患者の医療機関の変更は、想像以上に大変なのです。
引越前に「〇〇病院の△△先生宛に紹介状を書いて下さい」と言わないといけないのですから…。

誰かそういう絞り込みができるサイトを作って下さい…。
どうかお願いします。(切実)