中途視覚障害の自動車運転について

(あくまで個人的な感想です。)

中途視覚障害者の実状

的場ら(2023)の研究では、2019年度に新たに認定された16,504人の視覚障害者を対象に次の結果を発表しています。

緑内障による障害者が最も多く、次いで網膜色素変性症、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性となっています。
また、障害者手帳は2級が最も多く、次いで5級、1級と続きます。

中途視覚障害者と自動車運転について

これほど多くの中途視覚障害の方がおられるわけですが、今回は、この中途視覚障害者と自動車運転免許証の関係を考察していきます。

自動車運転免許で、最も視力の合格基準がゆるいのは、「原付免許、小型特殊免許」で「両眼で0.5以上、又は一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上であること。」となっています。

普通自動車免許等については、「両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上、又は一眼の視力が0.3に満たない方、若しくは一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であること。」となっています。

そのため、この視力の合格基準に達しない視覚障害の方は、運転ができなくなります。

視野障害者と自動車運転

一方で、視野障害の方はどうでしょうか?

両眼で視野のある方は、いくら視野が狭くても、原付では両眼で0.5以上、普通自動車では両眼で0.7以上あれば、運転することができます。

ただ、他の方と比べて見えにくいのは、障害者手帳を持っている以上明らかなことですし、健常者よりも危険を感じることも多いのではないでしょうか?


私は、身体障害者手帳の視野障害4級と認定された時は、普通に自家用車を運転していました。

通勤にどうしても必要だったからです。

自分でも危険に感じることが多くなったので、自転車通勤に変えたこともありました。
しかし、夜盲の症状があり、車ほどの明るいライトが自転車にはなく、歩道の凸凹で何度も転倒しそうになっていたので、すぐに止めて自家用車通勤に逆戻りしてしまいました…。

朝も自家用車と異なり、サンバイザーが無いため、遮光眼鏡をつけても眩しく、見えにくかったのも自家用車通勤に逆戻りした要因です。

ただ、このままでは、事故を起こしてしまうかもしれないとの思いで、年度末を機に自家用車がなくても生活ができる大阪市内に引越することにしました。

その後は、車を運転することはなくなりましたが、本人確認書類として便利なので今のところ運転免許証は持ち続けています。

運転免許証を返納しようという思いにはならないのには、もう一つ理由があるのです…。

それは、視覚障害により運転免許証を返納しても、高齢者のように特典が貰えることが無いからです。

多くの自治体で、運転免許証返納の特典に年齢制限をかけて高齢者を対象にしているからです。

中途視覚障害者となる人が毎年16,000人近くいるにもかかわらず、中途視覚障害者が運転免許証を返納しても、返納特典を享受できません。

障害者差別なのではないか、合理的配慮はないのか、と考えることすらあります。

このブログを見ていただいている行政の担当者さまには、できる限り運転免許証の返納特典に年齢制限をかけないように働きかけていただけると幸いです。

参考文献

的場ら(2023)「A nationwide survey of newly certified visually impaired individuals in Japan for the fiscal year 2019: impact of the revision of criteria for visual impairment certification」Japanese Journal of Ophthalmology 67 (3), 346-352頁